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出入国管理法改正案成立

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外国人雇用についてご注目されている方のみならず、連日メディアでも相当な時間を割いて取り上げられていた出入国管理法改正案が先日成立しました。首相官邸のウェブサイト上においてもトップで現在その報告がされており、非常に力を入れて取り組んだ内容であることがうかがえます。

<首相官邸>
『出入国管理法の改正案が成立しました。直ちに、しっかりとした運用体制を構築してまいります』

安倍内閣総理大臣記者会見のコメントの中に「出入国管理法の改正案が成立しました。全国的な人手不足の中、優秀な外国人材の皆さんにもっと日本で活躍していただくためにこの制度は必要であります。直ちに、しっかりとした運用体制を構築してまいります。」とあります。

人手不足による人員、労働力確保。つまり単純労働者として外国人を受け入れることを明言した上でこの法律は成立しましたが、コメントにある運用体制についてはまだ具体的な内容がはっきりしていません。しかし、来年2019年4月からの実施へ向けて今後急ピッチで準備が進みます。あと約4か月でいろいろな動きがありそうですし、懸念事項も出てくるでしょう。

<朝日新聞:2018年12月14日>
最大34万人、具体策欠く 外国人受け入れ、新制度案 都市集中、どう回避

労働者として日本に来られるようになる外国人にとっては出稼ぎという考え方を持つ人も多いでしょう。そうすると賃金が高い仕事が魅力的であり、結果として都市部に集中するのでは?ということが懸念されています。

これは労働力ではなく技能の移転を目的とする技能実習生も同様の傾向です。労働力確保手段ではありませんが、日本で技能を学ぶ間技能実習生には労働基準法が適用される労働者です。そして彼らの待遇は基本的に最低賃金をベースに決められることが多く、もろに地域別最低賃金の影響を受けて労働条件が決定されています。

<厚生労働省>
平成30年度地域別最低賃金時間額答申状況

同じ1時間働くのであれば基本的には時給が高い所で働きたい人が多いと思います。結果として最低賃金が安いところでは技能実習生の確保が今後難しくなっていくことが予想されます。

そして上記資料を見ると一番最低賃金が高いのが東京で985円、一番安いのが鹿児島で761円ですから1時間の差額は224円。1か月160時間働くとして1月当たりの差額は35,840円です。仮にこの時給差で3年技能実習をやると100万円以上の差となります。更に時間外労働による割増賃金が支払われれば、割増賃金単価も時給が高い方が高くなりますので更に収入の差が広がります。

このように時給が高い地域の方が魅力的であるのに加え、東京は前年度の最低賃金から27円増額、鹿児島は24円増額と、元々時給が高い地域と低い地域の差は更に広がっているという事実があり、これは年を追うごとにもっと開いていくと思います。

賃金、給料は仕事をするにあたって考慮する判断要素のひとつであり、日本より稼ぎにくい地域から来る人達にとって数円であっても大きな金額です。結果として少しでも高い給料を求めます。

インターネットを使い、SNSで情報を集める事が当たり前になった今の時代、事前に先輩等から話を聞き調べて働く場所を決める人もいます。このような情報は隠しても隠し切れませんからこれはどうしようもありません。ただ、賃金や給料だけが働く場所を決めるひとつだけの要素かというとそうではありません。どんな人と働くのか、住む場所の環境、近くの買い物できるお店や遊ぶ場所等々も当然大事です。

技能実習のみならず特定技能においても同様の傾向になる事が考えられます。良い人材を確保したいのであれば、私たちが仕事を決める時に調べる労働条件や福利厚生を魅力的なものにしそれを積極的にを伝えていく、それができるかどうかです。難しい話ではありません。一企業で対応が難しければ、地域と連携しながらの取り組みも今後出てくると思います。

まだまだ具体的内容がわからない改正入管法についてですが、人手不足時代は少なくとも当面は進むでしょう。IT等での生産性向上が難しい業種については外国人労働者の確保が現実的な対応策になると思われますし、その分野について特定技能の在留資格を持つ外国人の受け入れが進むと思われます。

私もいろいろとご相談をいただく機会が増えてまいりましたので、お役に立てるよう情報を集めて行きたいと思います。

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