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最後の最後まで今年は労働時間管理の話題がつきない年

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先日、立て続けに裁量労働制に関する報道があり、労働時間管理の重要性を改めて考えさせられる1年だなと感じました。

<朝日新聞:2017年12月26日>
労基署、NHKに指導 裁量労働制の時間設定「適切に」

<産経新聞:2017年12月26日>
野村不動産に特別指導 裁量労働制運用で東京労働局

同日報道、両事案裁量労働に関する内容かつ東京というものでした。

裁量労働制とは、「裁量」という文字が入っていることからわかるように、方法や時間配分の仕事の進め方についてその人自身が決められる、その為通常の労働時間管理とは別の管理が可能という制度です。

そして、この裁量労働制には、「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」があります。

「専門業務型裁量労働制」の方は、リンク先の内容からもわかるとおり、専門的な仕事が多いです。記事からははっきりわかりませんが、リンク先ページの「(3)新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務又は放送法(昭和25年法律第132号)第2条第4号に規定する放送番組若しくは有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律(昭和26年法律第135号)第2条に規定する有線ラジオ放送若しくは有線テレビジョン放送法(昭和47年法律第114号)第2条第1項に規定する有線テレビジョン放送の放送番組(以下「放送番組」と総称する。)の制作のための取材若しくは編集の業務」にあたるとして導入していたものと考えられます。

業務そのものは上記に該当すると判断されていると思われますが、その仕事をするために設定された時間数が実際の業務と乖離していたと思われます。そして、その乖離は基本的には設定時間よりも労働時間の方が長いというケースがほとんどです。

一方、産経新聞の記事のケースは「企画業務型裁量労働制」です。記事によるとこの制度の適用を受けていたのは営業だったようです。この「企画業務型裁量労働制」の適用を受けられるのは、リンク先に記載がある「事業運営上の重要な決定が行われる企業の本社などにおいて企画、立案、調査及び分析を行う労働者」です。ですから、営業担当者が事業運営上重要な決定にかかわることは一般的に考えづらく、そもそも制度の適用自体が否定されているわけです。

営業職についてはオフィスではなく外での仕事が多いため時間管理ができないという事で、みなし労働時間制度を利用している会社が多いと思いますが、この制度を利用していたとしても「みなしている労働時間」と「実際の労働時間」があまりにも異なるようであれば今回のような指導を受ける事はあり、不払い残業の問題の発展にもつながります。いかに残業代を払わないようにするか…という視点から導入されると、このような結果に行政の調査があるとなってしまうわけです。

労働時間管理についての行政対応は引き続き来年以降も厳しいものになると思われます。今ある業務をどうすれば法律に近づけて適切な労働時間管理をしている主張をできるようにするのか?ではなく、現在の業務を洗い出し、確認し、どうすれば適切な労働時間管理を実現できるか?どうすれば合わせられるか?という方法でアプローチしていかない限り、労働時間管理に無理が生じてしまいます。

これらの労働時間管理が導入されて時に比べて現在は情報技術が進歩しています。そもそもGPSで管理すれば、労働時間管理はオフィスにいなくても可能です。オフィスにいなくても打刻ができるシステムもあります。全事案がそのように判断される事が絶対にないとは言えません。

法律は実態に合わせていくにしてもタイムラグがありますが、法律を完全に守れていないにしても、ツールを駆使しつつできる限り法律を意識した対応をしているという姿勢は重要です。法律を守っていたら経営できないという開き直りは、既に通用しない時代になっていると思います。そのような会社には良い人材は集まってこないでしょう。今まではそのように考えていたとしても、今後改善していく意識を持つことは重要です。

2018年も引き続き労働時間管理に対する指導は重点的にされると思います。指摘を受けた企業のすべてが「うちは大丈夫」と思っています。もしもの時がやってくると会社に対するダメージは相当大きいです。仕事のやり方を変える、新しいシステムを導入するといったことは時間がかかりますが、まずは社内でできる業務の洗い出しや見直し等から進めてみてはいかがでしょうか。

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