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技能実習生の失踪増加。現行制度内での対症療法には限界がある

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外国人労働者の分野にかかわりがある者として、残念な報道がありました。

<2017年12月13日:朝日新聞>
外国人実習生の失踪急増、半年で3千人超 賃金に不満か

今年の6月末までの技能実習生が急増しており、その数3,205人。最多だったおととしは年間5,803人との事ですので、このペースが続いているようであれば確実に過去最多を更新。

6月末現在で日本にいる技能実習生は251,721人。一番多いのがベトナムで104,802人、その次が中国で79,959人。

失踪者数は一番多いのがこちらもベトナムで1,618人、次が中国で859人、ミャンマー、カンボジア、と続くようです。私のかかわりが深いインドネシアは記事に出ておらず一安心。失踪理由としてパワハラ、セクハラといった被害によるものもあるが、その大半が賃金に不満がある事のようです。

私もインドネシアとのかかわりから、あるいはこのウェブサイトを通じて技能実習関係者の方からご連絡をいただくこともありますし、インドネシア側で送り出し機関関係者と接点ができる事もあります。いろいろと話をしてわかってきたのは、技能実習生を紹介するブローカーへの紹介料支払いによる費用の増加、そして最低賃金を守らず低賃金で働かせる日本企業があるという実態です。

なぜこのような事が起こるのかというと、そもそもそのような事をする人たちがいるのはもちろん一番の問題なのですが、加えてその人達が言う事が正しいのか、間違っているのか、その判断ができないからです。送り出し機関に払う費用、日本でもらえる給料の相場、日本での生活費等々、正しい情報が伝わっていればこのような事が起こるはずがありません。

私の今の状況に対しての考えは、言われている事が正しいのか間違っているのか、その判断材料が無い、情報の非対称性を悪用している人達に騙された結果、日本に来て聞いていた話と違う、困った。借金返せない、お金をもっと稼げるなら失踪しよう。という循環に陥ってしまっているのが現実だという事です。

日本に行く前に真実を知る事は非常に重要で、その結果日本に行く事を改めて慎重に考える人もいると思います。20万円も30万円ももらえない、10数万円ですよ。と最初から聞いていれば借金しても返せるのか、返せないのかの判断ももっとしやすいはずです。

この状況ですと今年は技能実習生の失踪者数が過去最高になるのはほぼ間違いないと思います。さらに介護での受け入れも始まり、技能実習生はもっと増えるでしょう。

このような報道が増えると外国人が増えると治安が悪くなるという声が必ずあがり、結果として外国人受入れNO!の世論が広がると思います。しかし、今コンビニに行けば外国人留学生がレジで接客をし、物流センターのような単純労働かつ重労働は外国の方々の力なくして日本人は便利で安価ななサービスを受けられないのが現実です。

来年は日本が本気で外国人受入れを拡大していくのか、それとも日本人だけで細々とやっていくのかを判断する転換点の年になる気がしています。もし、日本が外国人受入拡大に舵を切るのであれば、この技能実習制度も建前を取り払って、単純労働者として受入れする仕組みを作るべきでしょう。出稼ぎ目的で来るのであれば、たくさん仕事をしてもらってお金を稼いでもらえばいいわけです。結果として私達日本人も質の高いサービスを受けられる生活を続けていけるのですから。

インドネシアに対してのみであり、制度の枠組みの中での対症療法的な事しかできませんが、すかSUKIの活動を通じて、インドネシアに対して今後日本に来て働きたい人達に対し情報発信を続けてまいりたいと思います。

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