社会保険労務士は弁護士や税理士等と比べると、まだまだ一般人の認知度が低い資格でありますが、このたび、行政との繋がりが強まる業務の話がでたようです。
<日本経済新聞:2017年3月7日>
労基署業務を民間委託 規制改革会議が検討
今でも労働基準監督署や年金事務所での相談対応といった業務を社会保険労務士が窓口で対応していますが、企業に対する監督業務はできませんでした。
しかし、昨今の働き方改革への取組や、日常的な業務に労働基準監督官をはじめとする職員の方は非常に多忙であり、求められている監督業務に手が回っていないようです。
そこで、下記のについて検討しているとの事。
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規制改革会議は監督官の業務を、社会保険労務士の資格者を雇用する民間事業者に委託することを検討する。社労士は企業の労務管理や社会保険に関して助言する国家資格で、資格登録者数は約4万人。労働基準監督官の合格者は社労士試験の一部の科目が免除されるなど業務が共通する面が多くある。
政府は年内にも労働基準法を改正し、企業の残業時間の上限を「月平均60時間」として違反企業には罰則を科す方針。監督官不足が足かせになりかねないため、社労士を活用して監視体制を強め、働き方改革の進展につなげる。
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(上記線内は記事引用)
基本的には大きな規模の社会保険労務士法人や社会保険労務士事務所が請負う形になるのでしょうか。実際に携わる社労士はそれほど多くないかもしれませんが、今まで以上に行政の考え方や対応を社会保険労務士間で共有する事で、企業に対しより良い対応ができるようになるでしょう。また、なかなか話を聞いてくれない企業も、聞く耳を持ってくれるかもしれないですね、この効果が大きいかもしれません。
ただし、記事にあるように強制的な捜査権は労働基準監督官と違って持ち合わせておりません。立ち入り検査の際に企業が協力してくれるような方法も考える必要があるでしょう。
社会保険労務士にとっては今回の話は良い事だと思いますので、実現されるのかどうか動向を追っていきたいと思います。