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長時間労働規制強化へ向け36協定の内容を見直しへ

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ここ数日話題になっていますが、「働き方改革」の一環として残業規制の強化を検討しているようです。

<朝日新聞:2016年9月10日>
残業時間「青天井」是正なるか 抜け穴見直しの議論開始

労働基準法上、使用者は原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させることはできません。しかし、労働基準法第36条の「時間外労働・休日労働協定(36協定)を締結し、労働基準監督署に届出すれば、上記法定労働時間を超える時間外労働および休日労働を行わせることが認められます。

つまり、この36協定を締結せずに1日に8時間を超えて働かせてしまうと、それだけで違法になってしまいます。「うちは残業代は払わないから…」という賃金支払の問題ではなく、実際働かせていることが問題になってしまいます。もちろん賃金を支払っていないことも問題ですが違法状態を認識していない状況は、会社にとってとてもリスクが大きい状態と言えます。

36協定を締結するにあたり「1日を超えて3か月以内の期間」及び「1年間」双方の延長時間の限度を定める必要があります。それぞれの期間に対し限度時間が明記されており、「1か月:45時間」、「1年:360時間」と記載し上限いっぱいの時間で届出をする会社が多いのではないでしょうか。

さらに、36協定には「特別条項付き協定」というものがあり、その名の通り特別な事情がある際は別の定めができるようになっています。なお、特別な事情で通常の残業時間を超えて残業をさせるわけですから、常に適用されるものではなく満たすべき要件が細かく設けられています。

・原則としての延長時間(限度時間以内の時間)を定めること。
・限度時間を超えて時間外労働を行わせなければならない特別の事情をできるだけ具体的に定めること
・「特別な事情」は、次のア、イに該当するものであること
 ・ア.一時的又は突発的であること
 ・イ.全体として一年の半分を超えないことが見込まれること
・一定時間の途中で特別の事情が生じ、原則としての延長時間を延長する場合に労使がとる手続きを、協議、通告、その他具体的にさだめること
・限度時間を超えることのできる回数を定めること
・限度時間を超える一定の時間を定めること
・限度時間を超える一定の時間を定めるに当たっては、当該時間をできる限り短くするよう努めること
・限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金の率を定めること
・限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金の率は、法定割増賃金率を超える率とするよう努めること

とされており、非常に多くの内容を定めたり、努めることを要求しているのがわかります。

が、この「特別条項」に当たる部分の時間を定めるにあたっては、指標となる限度時間が設定されておらず、結果として青天井になっており、結果、働きすぎにより健康を害したり、最悪のケースですと過労死に至るケースもあるのが実情です。

今回記事にあるような取り組みの結果、労働環境が改善されるのは望ましいことですが、お客様優先のサービス業や、PCを使う作業等仕事の内容や方法の変化により、9時間拘束される中で8時間労働、間に1時間休憩を取得するといった働き方が馴染まない仕事も増えてきています。

法律が実態に馴染まないとしても、企業としては法律を守る必要がありますので、企業自体が抜本的にやり方を変えていきたくてもそれが難しいのケースもあります。できれば、より現代の働き方に適用させやすいように法律も変わるとともに、仕事によっては8時間会社にいる必要はなく、仕事が終われば帰るといった労働時間に対する考え方も変えていく必要があるのではないでしょうか。

これから「働き方改革」に関する新しい取り組みは出てくると思いますので、注目していきたいと思います。

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