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2016年度(平成28年)最低賃金改定額答申

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2016年度(平成28年)の最低賃金の改定額の答申が出そろいました。

<日本経済新聞:2016年8月23日>
最低賃金、上げ幅最大 平均時給は823円に

前回審議の状況についての記事を書いた際は平均822円と書いておりましたが、最終的な平均は823円となり見込みよりも1円高くなったようです。(2016年度(平成28年)最低賃金の動向)。全国平均で見ると上昇額は25円との事で、こちらも昨年に比べると1円増えています。各都道府県ごとに今後10月へ向けて金額が確定されていきますが、おおよそこの内容で確定すると思われます。

ここで、トップ5とワースト5の時給は下記の通りです。
<トップ5(カッコ内は昨年からの増加額)>
・東京  932円(25円)
・神奈川 930円(25円)
・大阪  883円(25円)
・埼玉  845円(25円)
・愛知  845円(25円)

<ワースト5(カッコ内は昨年からの増加額)>
・宮崎  714円(21円)
・沖縄  714円(21円)
・鳥取  715円(22円)
・高知  715円(22円)
・佐賀  715円(21円)
・長崎  715円(21円)
・熊本  715円(21円)
・大分  715円(21円)
・鹿児島 715円(21円)
・青森  716円(21円)
・岩手  716円(21円)
・秋田  716円(21円)
・徳島  716円(21円)
・山形  717円(21円)
・愛媛  717円(21円)
・島根  718円(22円)

これをぱっとみるとやはり地域的に人が少なそうだったり、地方のエリアの時給が低めだという印象を受けます。また、カッコ内の金額を見ると、トップ5の方がワースト5の地域の上昇幅より大きいわけですから、この傾向が続けばいっそう時給の全国的な差が広がっていくと思われます。全国的に底上げを図る事によって逆に地域差が生まれる結果となっています。

ワースト6位は福島で726円(21円)、ワースト7位は香川で742円(23円)となっており、それぞれ下位との差額が8円、16円。ワースト5位までと比較しても少し差が開いています。とはいえ、トップの方を見れば2位の神奈川と3位大阪の時給差は47円もありますので、大都市の時給は高く、その大都市間においてもかなり差があり、東京と神奈川の時給が頭抜けて高くなっています。

記事内で紹介されているコメントには、「若者の流出を止めようと、引き上げ方針を示した」(事務局の高知労働局)、「大阪、京都に比べ最低賃金が低く、県内に住みながら近隣府県で働く労働者が多い課題がある」(兵庫労働局)とあり、時給をあげる事で流出の抑止につながるという見解が書かれています。

しかし、先に述べた通り、より時給が高いエリアも同水準で上がっている、あるいはもっと時給が高くなることにより、相対的には最低賃金だけで考えれば格差が広がっていく可能性が高いですから、そう単純な話ではないように思います。

政府は同一労働同一賃金、「全国加重平均で最低賃金1000円」をかかげておりますので、引き続き最低賃金は上がっていくものと思われます。体力が無い会社ほど最低賃金上昇が経営に与える影響が大きいため、雇用の抑制あるいは事業を継続が困難になるケースが出てくる可能性も考えられますので、その影響は大きいと思われます。

特に時給者が多い事業や、最低賃金で給与を設定し事業を行っている会社については特に賃金設計、人件費管理がより重要になってきますので、毎年動向に注意する必要がりあるでしょう。

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