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外国人技能実習生の実習実施機関に対する監督指導、送検状況(平成27年)

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この度厚生労働省より、技能実習に関わる資料が公表されました。

<2016年8月16日:厚生労働省>
外国人技能実習生の実習実施機関に対する平成27年の監督指導、送検の状況を公表します

内容についてピックアップしてご紹介したいと思います。

①監督指導状況(カッコ内は平成23年)
監督指導実施事業場数:5,173社(2,748社)
違反事業場数:3,695社(2,252社)
違反率:71.4%(82.0%)

平成23年のデータと比較すると違反率は10%程低下していますが、それでも70%近い事業場で違反が指導されています。そしてこの数年で監督事業場数が約2倍になっています。

違反内容を見ると一番多いのが労働時間で、事例を見ると月100時間超の時間外労働をさせているケースが散見されるようです。結果として未払賃金も発生しており、技能実習生8名に未払賃金として1,885万円を支払った事例もありました。1人平均200万以上の支払です。

②申告状況(カッコ内は平成23年)
89件(201件)

平成23年からの集計を見る限り平成27年が一番申告が少ないようです。監督が強化される事により事業主に改善意識が芽生えた結果であれば、望ましい方向に進んでいるものと考えられます。なお、申告内容の約9割が賃金不払に関する事のようです。

③送検状況(カッコ内は平成23年)
46件(23件)

平成23年と比較すると送検件数は2倍になっています。46件のうち約8割が「労働基準法・最低賃金法違反」、残り2割が「労働安全衛生法違反」となっています。

事例として、最低賃金及び割増賃金不払い及び監督指導時虚偽報告並びに是正勧告に従わなかったケース等がとりあげられています。

④労働基準監督機関と出入国管理機関との相互通報状況(カッコ内は平成23年)
労働基準監督署 → 出入国管理機関:551件(519件)
出入国管理機関 → 労働基準監督署:108件(181件)

出入国管理機関からの通報は近年低下傾向のようですが、平成24年だけは556件と高水準になっています。基本的には労働者の相談窓口である労働基準監督署から出入国管理機関への通報が多いようです。

なお、強制労働等技能実習生の人権侵害が疑われる事案については、労働基準監督署と入国管理機関の合同監督・調査が行われており、管理団体を含む85件に対して実施されたようです。

現在技能実習に「介護」を追加するかどうかの議論が厚生労働省の外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会で行われています。介護での受入れを始めるはじめないにかかわらず、違反率が70%もある状態は是正していく必要があるのは当然です。

技能実習生無くして存続できない会社は既に存在します。介護での受入れが始まる事になれば人手不足が緩和され、介護の為に仕事を辞めずにすむ人もいるでしょう。一方で、外国人の方に介護をしてもらう事に不安や抵抗感を持つ人がいる事も事実です。

結論はまだ出ていないようですが、いち国民として必ず考えなければならない事でもありますので今後の議論の動向について引き続き注目していきたいと思います。

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