最新投稿

介護離職増加と日本の雇用慣行から求められる多様性の受入環境

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

皆様GWはいかがお過ごしでしょうか。まだ明けてないという方もいらっしゃるかと思います。最近時間があったので、改めていろいろと考えていました。その内容のひとつが介護離職が抱える問題です。

<東洋経済オンライン 2015年11月16日>
「介護離職者」を待ち受ける”年収激減”の苦悩(3人に1人が仕事との両立に不安を感じている)

少し古い記事ですが、今後の事を考えると誰もが直面する問題だと思います。私も両親が健在ですからいつ介護をしなければならなくなるかわかりませんし、私自身も将来はもちろん急に誰かのお世話にならなければ生活できない。そんな状況も十分に考えられるわけです。

定年まで勤め上げる事で好待遇を受けてこられましたが、介護離職をして介護が終わったとしても逆に再就職が困難という状況に直面します。40代や50代で正社員としての再就職を希望する場合採用されるにはかなりハードルが高く、就職できたとしても待遇は以前より下がるでしょう。雇用が硬直的である日本の慣行により守られていた立場から逆の立場になって強います。今後このような人が増えてしまう事は問題ですので、今の雇用の流動性が低い慣行時代になじまなくなっていると言えるでしょう。

2014年6月24日に厚生労働省は将来の介護従事者数を試算の上発表しています。
2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について

これを見ると2025年度の介護人材の需要見込みが253.0万人、介護人材の供給見込みが215.2万人となっており、その受給のギャップが37.7万にとなっています。つまり、介護人材が37.7万人足りないという事です。

という事は、この37.7万人に対する介護は外部の人に任せる事ができず、その家族でやらなければならなくなります。そうするとその家族で働いている人が仕事を続けられるのか、生活を続けていけるのかという問題が生じます。これを受けて少しでも働きながら介護をしやすくするため、育児・介護休業法、雇用保険法改正を実施しました。

<毎日新聞 2016年3月29日>
改正雇用保険法 成立 介護休業、分割可能に

この法改正で今までは原則1回だった介護休業の取得を3回まで分割できるようになり、介護休業給付金の支給額も引き上げられました。

確かに法改正後の方が、介護休業を取得しやすくなっているとは思います。しかし、その効果はそれ程大きくないでしょう。「15年くらい介護をする人もいる」と記事にある通り、介護はいつ終わるのかわかりません。それが子育てと違うところです。先が見えないため仕事やお金の面での計画が立てづらいのが現実です。

今後も制度や環境が改善されるのはもちろん、ロボットといった今までに無かった新技術により解決していける問題もあるでしょう。しかし、今後も増え続ける介護人材の需要を吸収しきれるかとというと、そう簡単ではないと考えています。

そうするとやはりすぐにでも働く事ができる外国人の力を借りる必要があり、既にEPAでインドネシア・フィリピン・ベトナムから介護福祉士候補者生を受け入れてはいますが人数を増やしても全然足りません。その為、現在検討されている技能実習制度でいろいろな国から人材の受け入れが行われるのではないかと考えています。

そうは言っても数が多ければ良いというわけでもありません。専門知識も日本語能力も低い人達を増やす事でどれ程効果があるかは未知数であり、実施後に起こる問題に対してどのように対応していくかが重要です。

外国人の受け入れを進めるとすると、様々な議論が国内で起こると思います。2025年まであとわずか9年です。その前に法律制定や改定が必要な場合はもっと前から動かなければなりません。

なかなか当事者にならないと親と話をしたり、その時の事を考える機がないと思います。このGWの休みを機に、介護が必要になった時の対応について話し合いをしてみるのもいいかもしれませんね。

国が抱える問題ですから、国ができる限り対応策を検討し実施していく必要があると思います。しかし、とても時間がかかりますので、個人的にできる事を「すかSUKI」の活動を通じて引き続き行ってまいりたいと思います。

関連記事