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海外勤務者に対する労災認定

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一般的には適用されないと考えられていた事案に対して、労災認定の判決が下りました。

<日本経済新聞 4月28日>
海外勤務に労災適用 東京高裁、遺族が逆転勝訴

一時的に国外に出張している時に起こった業務災害の場合は、国内と同様に処理され労災の対象となります。しかし、転勤し常時海外で勤務している人に対して労災保険が適用される場合、第三者特別加入制度の手続きを行わなければなりません。

特別加入制度のしおり(海外派遣者用)

中央労働基準監督署は「出張中でもなく、特別加入もしていない」という事から労災認定をしなかった為、遺族が裁判所に判断を求めたという内容です。

労働基準監督署の判断は特別なものではないように思われますし、一審の東京地裁でも保険適用できないとう判決が出ていました。しかし、東京高裁ではその判決が覆りました。

その理由として、裁判長は「仕事の内容や国内拠点からの指揮命令などを総合的に判断すべきだ」と指摘しています。東京の本社に業務の決定権があり出勤簿を本社に出していた事から、「男性は実質的には国内の事業所に所属していた」と判断したそうです。

この内容を見ると、国外であったとしてもその独立性がなければ国内の労働者と判断基準は同様とも受け取れます。この内容は「管理監督者」の判断基準にも通じるものがあります。社内での管理職と労働基準法から判断される管理監督者の定義が異なる企業は多いのではないでしょうか。

しっかりマスター 労働基準法 ―管理監督者編―

この判決から言えるのは、海外に常駐し勤務する従業員に対しては、しっかり労災に加入させることはもちろん、どの様な人を常駐させ、どのような権限と責任を与えマネジメントさせるかをしっかり考える事が求められるという事です。海外へ進出する企業はまだまだ増えると思われますので、従業員に安心してもらい安全な環境で仕事をしてもらい現地で活躍してもらえる取組みが必要なのではないでしょうか。

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